@article{oai:kogakkan.repo.nii.ac.jp:00000080, author = {濱千代, 早由美 and HAMACHIYO, Sayumi}, issue = {4}, journal = {皇學館大学研究開発推進センター紀要, Bulletin of the Research and Development Center of Kogakkan University}, month = {Mar}, note = {本稿では、伊勢市宇治館町の旧物忌家・岩井田家所蔵の資料(以下、「岩井田家資料」)の中から、『年中行叓記草稿』について扱う。本資料は、『留守中心得雑記』(文久元年)と合綴され、はっきりした成立年代が不詳であるものの、その記述内容から、明治二九年以降に記されたもので、岩井田家資 料に含まれる年中行事記のうち最も新しいものと推察される。神宮改革後に記されたものであるため、『留守中心得雑記』に比べると、御師としての記述、神職家としての記述が薄くなっている。その一方、献立や膳の配置、用意するものの内容がより詳しくなり、図も多くなっている。また、新暦と旧暦の併用や、家族に関する行事(誕生祝い、正忌日)、明治維新後に行われるようになった祭日、改暦後の変更点についての記述等が出てくるのも特徴である。 年中行事は、毎年、毎年、同じ時期に繰り返される一連の行事である。岩井田家資料に含まれる年中行事記には、それぞれに傾向は異なるものの、行事の日程、用意すべきもの、連絡すべき人、膳の配置、供物の供え方などが細かく記され、変更点はその都度追記される。そのため、欄外に膨大な追記 がなされ、押し紙による修正や加筆が繰り返されている。記帳の方法は一見煩雑に見えるが、岩井田家の人々の行動を規定する判断基準となっていた。 何をどれだけ用意するのか、どのように用意するのか、どのような人や部署に年頭の挨拶に行くかなどが細かく記され、付き合い方の判断は、記録されたこれらの「先例」にならって行われた。何らかの変更をする場合は合理的な判断の元に行われ、変更もまた、追記されていった。したがって、これらの年中行事記の記述を通して、祭祀のあり方のみならず、社会構造について理解することも可能になるだろう。特に、『年中行叓記草稿』は、明治期の年中行事の実際を知る上で興味深い資料である。}, pages = {191--203}, title = {岩井田家資料『年中行叓記草稿』(明治期)}, year = {2018}, yomi = {ハマチヨ, サユミ} }